回想療法には本物を!!尋常小学讀本展示中
8月18日、台風一過で空が晴れ渡って気持ち良かったので、吉祥寺にある大学時代の友人N氏の古雑貨店(昭和30年代のおもちゃやレア商品などガラクタを扱っている)に足を伸ばしました。
無精ひげが良く似合う太面のN氏はアルバイト店員に店を任せると、私を奥の座敷に案内してくれました。
薄暗い廊下の壁には「東京タワー落成記念パレード」のポスター。6畳の部屋には昭和の香り漂う衣装ダンスが鎮座し、古びたガラスケースの中には年代ごとに並べられたセルロイド製の人形が、真空管のネオンに照らされてノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。奥の台所から彼が風呂敷包みを手に戻ってきました。
ちゃぶ台に出されたのは、ラムネと数冊のボロボロの本。
よく見ると、そこには「尋常小学讀本」の文字が・・・。
ゆっくりとページを開いてみるとまず第一章に天皇陛下の記述があります。
右寄りのその文面は、当時の教育思想を物語っています。
第四章が、今話題の靖国神社についての記載。祖国のために戦った戦没者が奉られていることが書かれています。
N氏との昔話をそっちのけで資料を読みふけっていました。
ひぐらしの蝉の声が日の傾きを知らせてくれました。
高齢者デイケアの回想療法に丁度良い資料だったので、懐かしいラムネの空き瓶と一緒にその貴重な資料をもらって帰りました。N氏のご好意に感謝です。