最近は高齢者病棟での作業療法で、ちぎり絵という活動を行なっています。
認知症の患者様に対して、手先を動かして、何か作業をするということは、手指の巧緻性、筋力の維持と言う意味合いだけでなく、現実場面との接点を持ち、気持ちを落ち着かせると言う作用があると言われています。
この時も、それまでホール内を不安そうな顔で、うろうろされていた方が、作業を促したとたん、すっきりした表情に変わり、意欲的にちぎり絵活動に参加し、一時的に不安そうな表情がおさまると言った場面がみられました。
また、出来上がった作品を病棟のホールに飾ることで、病棟に安心感のある雰囲気作りを与えたり、出来上がった作品を看板など使えるということで、その時の達成感や自分の役割の再確認など、出来るのではないかと考えています。
参考文献:日本精神病院協会監修,痴呆性老人のための作業療法の手引き,1997,ワールドプランニング