こちらは、毎週水曜日のプログラム『すぎながあきらの健康スポーツ』で最初に参加者の皆様に見せる今日の流れを書いたボードです。
このようにして1回のプログラムの中で最初に何を行って、次に何をして、最後に何をすれば終わりになるかという事を、最初に参加者に提示しています。
認知行動療法では、1回1回のセッションを、どのように進めていくかという段取りを決めて、それを図示し、参加者と一緒に確認しながら実践する事を、“構造化”というそうです。
“構造化”することには、いろいろと意味があるそうですが、スポーツの場面でこの“構造化”の技法を使っているのは、参加者の皆さまに守られた環境の中でスポーツを楽しんでもらいたいという思いがあるからです。
“構造化”と言うのは、参加者を“守る”機能があるそうです。
構造と言うのは枠組みです。枠組みとはある種の制約であるが、制約があることで、我々は「今、自分たちはどこにいるのか」「今、自分たちは何をしているのか」「自分たちはどこに向かおうとしているのか」「自分たちは次に何をするのか」といった事を明確に理解し、共有する事ができるそうです。
そしてこのような枠組みがある、今自分が何をやっているのか、自分の立ち位置がわかる事と言うのが、安心感につながるのです。
うちの病院は、患者さんの入退院の多い、回転率の高い病院です。
スポーツに初めて参加する方が毎回いらっしゃいます。
誰でも初めて参加するというのは、不安があるものです。
初めて参加された方が、「今からいったいいつまでプログラムがあるのか?」、「いったいいつになったら終わるのか?」「いったい今から何をするのか?」そのような事を感じて不安にならないように、できるだけの配慮をしているつもりです。
初めて参加される方にも、安心してスポーツを楽しんでもらいたいという思いから、このような取り組みをしております。
引用文献:伊藤絵美,向谷地生良:認知行動療法、べてる式。 ,医学書院,2007