久喜すずのき病院 地域連携室 精神保健福祉士の宗像です。
5月となり、日中は汗ばむ陽気となりました。新年度が始まり、歓迎会などでお酒をのむ機会もあったのではないでしょうか。
今回は、この『アルコール』について話題をあげてみようと思います。
アルコールは、日本では20歳以上の方がのめるもので、気分を和らげることやコミュニケーションの道具の一つともなり、良い面もあります。
「飲酒とJカーブ」というグラフをみてみると、飲酒をまったくしない人に比べて適切な量のお酒をのんでいる方のほうが、死亡率が低いとの研究もでています。
しかし、飲酒量がどんどん増えていくと、死亡率もぐんと上がっていきます。
厚生労働省の「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールにて約20g程度であるとしています。(ビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、焼酎なら0.6合、缶チューハイなら1.5缶分相当です。)
適切な量をこえてお酒を飲みすぎてしまうと、身体に大きなダメージを与え、死亡率が高くなってしまうのです。
お酒をやめたいのにやめられなかったり、自分の身体だけでなく仕事や家庭など生活に影響が出てしまうこともあるかもしれません。
少しの量で酔えなくなる(耐性ができる)、自分では飲酒量をコントロールできなくなる(コントロール障害)ことは、実はアルコール依存症の症状なのです。
アルコール依存症は、自分の意志とは関係なくお酒に依存してしまう病気です。
病気なので、精神科の病院で治療をすることとなります。
久喜すずのき病院では、アルコール依存症の治療として、
①医師の診察
②院内プログラム(アルコール勉強会、アルコールミーティング、院内AA)
③相談窓口や利用できる制度、自助グループのご案内(AA、断酒会等)
を行っています。
治療にはプログラムに参加をしてお酒をやめていきたいという気持ちが必要になります。
共依存として、ご家族が飲酒をする手助けをする行動をとっていることもあるため、お酒にまつわることで困っていることやどう対応したらいいか分からないなどありましたら、まずは地域連携室の相談員までご相談ください。