持続性注射剤(LAI)について
持続性注射剤(LAI:Long Acting Injection)とは、統合失調症で使用される筋肉注射による治療のことです。注射後、薬剤が体内に長期間留まることで、通常の治療薬より効果が長く保ちます。お薬の飲み忘れが防げるほか、通院の頻度も抑えることにつながるため、注目されている治療法のひとつです。
持続性注射剤をお勧めする人
- 薬を処方されても服用を忘れてしまう
- 毎日の薬の服用から解放されたい
- 再発などを防ぎたい
- 服用する薬の量を減らしたい
- 学校や職場などで服薬しているところを見られたくない
など
持続性注射剤の適応疾患
持続性注射剤のメリット
薬の規則的な服用から解放
毎日、決められた量を決められた時間に服用しなければならないという持病を抱え、薬が処方された方なら誰もが経験する規則的な薬の服用から解放されます。患者様自身だけでなく、ご家族にとっても患者様の服用状況を気にかける必要がなくなります。
薬を飲み忘れる心配がなくなる
従来の統合失調症の治療では、毎日処方された薬を飲むことが必須でした。しかし、忙しさや気持ち的に、どうしても飲み忘れる、飲みたくないということもあったかと思います。持効性注射剤では、定期的に通院し注射を打つことで、毎日の薬の服用から解放され、薬の飲み忘れがなくなります。
生活の質が向上する
統合失調症の患者様は、常に薬の内服に関して気にかける必要がありました。しかし、持効性注射剤を使用することで、日常生活の中で薬の服用を気にかける必要がなくなり、職場や学校などでも安心して活動できるようになります。
再発などの不安を軽減できる
統合失調症は、再発の多くを薬の服用を忘れるあるいは辞めることが原因としてありました。持効性注射剤に切り替えることで、こうした薬の飲み忘れなどを防ぐことができ、結果として再発や悪化を防ぐことにつながります。
持続性注射剤のデメリット
定期的な通院
持効性注射剤を使用した治療では、毎日の薬の服用から解放される代わりに、定期的に通院していただき、注射を打っていただく必要があります。薬が体内から切れてしまわないように、通院を月1~2回していただく必要があります。
持続性注射剤の種類
リスパダールコンスタ | ゼプリオン | フルデカシン | ハロマンス/ ネオペリドール |
エビリファイ | |
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注射する場所 | お尻の外側の筋肉 | 肩の外側の筋肉、(3回目以降)お尻の外側の筋肉または肩の外側の筋肉 | お尻の外側の筋肉 | お尻の外側の筋肉または肩の外側の筋肉 | お尻の外側の筋肉または肩の外側の筋肉 |
投与間隔 | 2週間に1回 | 2回目までは1週間、3回目以降は4週間に1回 | 4週間に1回 | 4週間に1回 | 4週間に1回 |