女性のメンタルヘルス外来

女性のためのメンタルヘルス外来について

女性ホルモンの急激な変化や様々なライフイベントによる環境や役割の変化(就職、結婚、妊娠、出産、育児、介護など)で、女性は精神的不調を来しやすいと言われています。特に、全年齢において女性は男性よりもうつ病が多く、近年は女性の社会進出が目立ち、ストレスも多様化しています。

子供の世話や親の介護を最優先してしまい、自分のことはつい我慢して後回しにしていたら、疲弊して何もできなくなってしまった、また月経前、産後、更年期などのホルモンバランスの影響により気分が落ち込んで家事も育児もできない、などといった状態が見られることもあるかと思います。当院では、専門の女性医師がまずはお話をお伺いした上で、適切な治療、適切なカウンセリング、社会資源の提供などのご提案をいたします。必要がある場合は、産婦人科との連携をとらせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

このような症状はありませんか?

  • 学校生活で悩み、精神的な不調を来している方(思春期うつ病)
  • 受験や就職活動で悩み、精神的な不調を来している方
  • 仕事で悩み、精神的な不調を来している方
  • 家族や交際相手のことで悩み、精神的な不調を来している方
  • 介護や育児で、精神的な不調を来している方
  • 月経1週間前~月経中の気分の落ち込みがひどくて困っている方 (月経前不快気分障害 PMDD)
  • 更年期だが、気分の落ち込みがひどくて困っている方 (更年期うつ病)
  • 産後に気分の落ち込みがひどく、育児も手につかない方 (産後うつ病)
  • 便秘や下痢などの訴えが頻回で、色々な体の症状が心配な方 (老年期うつ病、心気症)
  • 動悸、発汗、頭痛、嘔気などの症状が出現したが、内科では問題ないと言われ困っている方(不安障害)
  • 食事がとれなくて困っている方、食事を食べすぎて困っている方(摂食障害

※重度の精神症状があらわれている方については、必ずご家族と一緒に来院してください。

代表的な疾患

産後うつ病

産後のうつ状態には、いわゆる「マタニティーブルー」と言われ、産婦の約50~80%が経験する一過性で軽症のうつ状態もあれば、精神科入院が必要な程の重症のうつ状態もあります。出産後1年間の産後うつ病エピソードは、産婦の10~15%と言われ、発症は産後12週目が最も多くなっています。また、産後うつ病は双極性障害のリスク因子であると言われています。
産後、産科の1か月検診で下記のエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を施行して、精神科受診を勧められる場合があります。
中等度以上の産後うつ病の治療は、SSRI,SNRIなどの抗うつ薬による薬物療法を検討し、心理療法と組み合わせて使用します。抗うつ薬全般で、母乳を通じて乳児に入る薬剤量に関する指標(相対的乳児投与量)は10%以下であり、乳児が健康である場合には積極的に抗うつ薬を中止する必要性はないと言われています。とはいえ、抗うつ薬を内服しながらの母乳育児を行うか否かは、授乳婦である患者様の意思決定を尊重して、相談をしながら治療方針を決めていきます。

月経前気分不快障害(PMDD)

月経の7~10日前頃より、睡眠過多(不眠のこともある)、過食(食欲低下のこともある)、病的なレベルの抑うつ状態が出現し、仕事や学校、家庭においての日常生活や人間関係に大きな支障を来す病態を月経前気分不快障害(PMDD)と言います。そしてこれらのうつ状態は、月経初日ないしは月経2日目頃までには症状がほぼ消失することが特徴です。一方、月経前症候群(PMS)とは、PMDDまでの重症さはなく、月経前の身体症状や精神症状により日常生活や人間関係に支障を来さないもとを指します。
PMDDは20歳代で発症することが多く、生殖可能年齢の女性の3~8%に認められます。PMDDの治療は、薬物療法が主体ですが、必要性があればカウンセリングを併用することもあります。薬物療法は、黄体期にのみ抗うつ薬であるSSRIを投与する間欠療法が一般的です。基礎体温を測定している患者様では高温期に入った初日から、また基礎体温を測定していない患者様では、次の月経開始予定日の14日前からSSRIを開始し、月経開始日もしくは月経開始後3日目程度までSSRIを内服します。それでも効果不十分の場合には、SSRIにより継続療法を行います。

更年期うつ病

ストロゲン)の分泌量が減ることで、ホットフラッシュや発汗、イライラ、便秘、冷えなどの身体症状とうつ症状などの精神症状を認めることがあります。
閉経前の女性の28~31%がうつ症状を呈するのに対し、更年期の女性は45~68%がうつ症状を認めるといったデータもあります。また、更年期障害の身体症状は、精神症状よりもはるかに遅く(最大5年)現れることが多く、このタイムラグにより更年期うつ病の診断はより複雑となります。うつ病の症状が軽度であれば心理療法なども検討しますが、中等症以上のうつ病では、ガイドラインに基づいて抗うつ薬を中心とした薬物療法を行っていきます。更年期障害で身体的不調も強く出ている場合には、婦人科受診をしていただき、ホルモン療法を検討していただくことがあります。更年期の精神的不調にお悩みの場合は、当院までご相談ください。

育児ノイローゼ

待ち望んでいた赤ちゃんが生まれ、楽しみにしていた子育てでも、理想の生活や子育てができず思い悩む方がいらっしゃいます。特に、完璧主義や几帳面な方、責任感の強い方に生じやすく、夫や周囲に頼れる人がいないということが育児ノイローゼになりやすい人の特徴として挙げられます。また、出産後にホルモンバランスが崩れることも大きな要因となっています。症状としては、何もやる気が起きない、よく眠れない(いつも眠い)、思い描いていたような子育てができない、子どもに嫌われている気がする、子どもの世話をするのが嫌になったなどが挙げられます。当院では、精神科の専門病院として、育児ノイローゼに対して、カウンセリングをはじめ必要に応じて薬物療法を行うなどの治療を行っております。お気軽にご相談ください。

受診について

  • 毎週月曜午後(13:00~)に診療を行っております。
  • はじめて「女性のためのメンタルヘルス外来」を受診される方は、事前にご連絡ください。
    ※当院窓口:0480-23-6540までお問い合わせください。
  • 受診当日は、お問い合わせ時にお伝えした予約時間の30分程度前にご来院ください。
  • 他院から転院される場合は、紹介状(診療情報提供書)をお持ちください。
  • 入院の患者様
  • 外来の患者様
  • 代表番号 0480-23-6540代表番号 0480-23-6540
  • 地域連携室 0480-23-6848
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