自立支援医療制度とは
自立支援医療制度は、精神保健福祉法第5条に基づき、精神疾患のために定期的な通院が必要となる方に自己負担を軽減していただける公費負担医療制度となります。制度をご利用いただくためには、お手続きを取っていただく必要がありますが、制度をご利用いただくことで通常の3割負担から1割負担へと医療費の負担が軽減されます。また、医療費負担の軽減に関しては、所得に応じた上限も設定されます。詳細に関しては下記をご確認ください。
有効期限
自立支援医療制度は有効期限1年間となり、1年毎に更新手続きを行っていただく必要がございます。
※2年に1度、指定の用紙による診断書の提出が必要になります。
申請の流れ
- 自立支援医療制度はすべての医療機関で対象となるわけではございません。該当の医療機関にて通院治療を継続的に行う方が適用対象となります。
なお、当院は、指定医療機関となっています。自立支援医療制度のご利用をご希望でしたらお気軽にご相談ください。
※申請に当たり、診断書と意見書(「重度かつ継続」に該当する場合のみ)の作成が必要となります。診断書等の記載お申し込みに関しては、外来窓口までご確認ください。 - 医師による診断所および意見書(該当者のみ)の記入が終わりましたら、市町村窓口にて申請手続きを行ってください。
※診断書および意見書(該当者のみ)のほか、マイナンバーや証明写真などが必要となります。 - 申請後、認定されるまで数カ月間かかります。なお、認定され受給者証がお手元に届くまで、控えにて対応させていただきます。控えを無くさずに、受診時にお持ちください。
- お手元に受給者証が届きましたら、医療機関および薬局までご提示ください。
※以後、医療機関および薬局に行かれるときは受給者証と自己負担上限管理表をお持ちください。
申請時に必要なもの
- 診断書
- 意見書(「重度かつ継続」に該当する方)
- 世帯の所得の分かる書類(課税証明書、非課税証明書など)
- 自立支援受給者証
- 保険証
- 印鑑
精神障害者保健福祉手帳とは
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害を有する方に対して、社会参加と自立を促す目的で発行されます。障害の程度に応じて1~3級に分けられ、それぞれに応じた社会資源をご利用いただくことができます。なお、知的障害を有する方は、精神障害者保健福祉手帳とともに療育手帳の手続きをしていただくことが可能です。
有効期限
精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間となり、有効期限の3か月前より更新手続きをおとりいただくことが可能です。
申請の流れ
- 精神障害者保健福祉手帳の取得をご検討の方は、ご自身が対象となるか主治医までご確認ください。その上で、該当する場合は、お住まいの市町村窓口にて申請に当たり必要な書類をお受け取り下さい。指定の診断書等をお渡しいたします。
- 市町村窓口にてお受け取りになりました診断書等の書類を外来受付窓口にお渡しください。書類の記載が可能かどうかの最終判断は、担当医師が行います。
※記載には2週間~1か月ほどお時間をいただいております。更新手続き等の場合は余裕をもってご提出ください。 - 診断書等、申請に必要な書類が揃いましたらお住まいの市町村窓口までご提出ください。
- 市町村窓口にて申請手続き後、発効までに数カ月かかります。お手元に届くまでお待ちください。
申請時に必要なもの
- 診断書
- 申請書
- 写真(約4㎝×約3㎝)
介護保険とは
介護保険とは、お住まいの市区町村(保険者)が運営する制度で、すべての国民が40歳を過ぎると被保険者として加入する制度になります。加齢や障害に伴い身体機能あるいは認知機能が衰え、何らかの支援が必要となった方(要支援者・要介護者)に対して、介護費用の一部を負担(給付)します。介護保険で受けられるサービスに関して、利用者自らが選択できる点が特徴です。なお、給付を受けるためには、お住まいの市区町村や専門機関による要介護認定を受ける必要があります。
介護保険をご利用になれる方
- 65歳以上(第1号被保険者)で要介護・要支援が必要と判断された方
- 40~64歳(第2号被保険者)で特定の疾患により介護認定を受けた方
介護保険をご利用になるために
介護保険制度の運営は、各市区町村が行っているため、介護保険を受けるために必要な資格証(介護保険被保険者証)はお住まいの市区町村から送付されることになります。しかし、介護保険被保険者証だけで介護保険制度をご利用になることはできず、要支援・要介護認定を受ける必要があります。
- お住まいの市区町村に申請の手続きをしてください。
- 要支援・要介護認定は、お住まいの市区町村の認定調査員が行っていきます。身体機能や認知機能をご確認させていただきます。
- 主治医に意見書を作成してもらってください。
- 認定調査員による調査結果および主治医による意見書をコンピュータが判断し、その後、介護認定審査会が判定した上で、要介護度が通知されることになります。
- 要支援・要介護認定を受けましたら、地域包括支援センターにご相談ください。ケアマネージャーをお探しして、ケアプランと呼ばれる計画書を作成していきます。
- 上記の手続きが終わりましたら、ご利用になられるサービスに応じた手順が発生していきます。詳しくはお住まいの市区町村までお問い合わせください。
介護保険で利用できるサービス
- 在宅支援介護
- 在居サービス
- 施設サービス
- 地域密着サービス
障害年金とは
精神疾患をはじめ、病気や障害により十分な収入を得ることが難しい方に対して、障害年金という制度があります。申請には医師の診断書が必要となります。ご自身が該当するかも踏まえ、医師とご相談ください。
障害年金を受けられる条件
- 公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金)のいずれかに加入し、保険料を納めている期間内に精神疾患を発病(および診断)していること
- 指定の精神疾患を持っていること
- 3分の2以上の保険料を納めていること
※20歳前に精神疾患を発病、診断されている場合、年金受給の対象となります。
障害年金の種類
- 障害基礎年金1級、2級
- 障害厚生年金1級、2級、3級
障害基礎年金と障害厚生年金の違い
障害基礎年金および障害厚生年金ともに初診日に厚生年金あるいは共済に加入している必要があります。その上で、障害基礎年金は3分の2以上の国民保険料の納付が必要であり、一方、障害厚生年金は3分の2以上の厚生年金保険料あるいは共済年金保険料の納付が必要となります。なお、いずれの場合も20歳前に精神疾患を発病、診断されている場合は上記の限りではありません。
障害年金受給の流れ
障害年金の手続きは、障害基礎年金と障害厚生年金・障害共済年金により異なります。
障害基礎年金
- 障害基礎年金に関しては、初診日に国民年金に加入していたか否かでその後の手続きが異なります。
- 国民年金に加入しておらず、障害等級(1級、2級)に当てはまる場合、市区町村の窓口にてお手続きとなります。
一方、国民年金に加入していた場合、給付には初診日までに3分の2以上の保険料を納めている必要が生じます。保険料を納めており、障害等級(1級、2級)に当てはまる場合、市区町村の窓口にてお手続きとなります。
障害厚生・障害共済年金
- 初診日に3分の2以上の厚生年金保険料あるいは共済年金保険料を納付しているかご確認ください。
※20歳前に精神疾患を発病、診断されている場合を除く。 - 障害厚生年金の場合、社会保険事務所に申請手続きを行ってください。一方、障害共済年金の場合、各共済組合まで申請手続きを行ってください。
なお、いずれの場合も障害等級(1級、2級、3級)に当てはまる必要があります。
限度額適用認定制度(高額療養費制度)とは
限度額適用認定制度(高額療養費制度)とは、医療機関での1か月(1日~月末)のお支払いが一定額以上になった場合、申請していただくことにより限度(上限)を設けるという制度です。高額療養費制度は、1か月間である一定以上の額のお支払いとなった場合に、後から払い戻される制度となり、一時的に大きな負担となる側面があります。そのため、限度額認定証と呼ばれる書類の提出により1か月間のお支払金額が所得に応じて定められる自己負担限度額までとなります。
限度額適用認定証申請の場合
窓口にて保険証と一緒に「限度額認定証」をご提出ください。1か月(1日~月末)のお支払い金額が自己負担限度額で定められた金額までとなります。
なお、限度額認定証に関しては、加入している保険者まで申請手続きをお願いします。
※健康保険料に滞納がある場合、限度額認定証は交付されません。
※加入している保険者とは、国民健康保険の場合は市町村役場、社会保険の場合は各健康保険組合となります。ただし、社会保険の場合は勤務先で代行している場合もございます。ご確認ください。
高額療養費制度申請の場合
高額療養費制度を申請される場合、後から払い戻しが行われるため、会計時には費用の全額お支払いいただく必要がございます。お支払いいただいた後、領収書を添えた上で申請手続きを行ってください。申請手続きに際し、印鑑や保険証、振込先等の情報が必要となります。なお、高額療養費制度の申請は、診察月の翌月1日から起算して2年となりますので、ご注意ください。
その他
高額療養費制度においては、後から払い戻しがされるため、一時的に大きな負担が発生することが考えられます。そのため、払い戻しが行われるまでの間、医療費の支払いに充てる資金として、高額医療費貸付制度(高額医療費支資金貸付制度)と呼ばれる無利子で貸付を行う制度がございます。また、国民健康保険をご利用の方に関しては、高額療養費受領委任制度と呼ばれる制度もございます。
自己負担額について
70歳未満の人の自己負担限度額(月額)
※この表は横にスクロールできます。
所得区分 | 3か月目まで | 4か月目以降(※1) |
---|---|---|
ア | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
イ | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
ウ | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
エ | 57,600円 | 44,400円 |
オ | 35,400円 | 24,600円 |
70歳以上の人の自己負担限度額(月額)
※この表は横にスクロールできます。
所得区分 | 3か月目まで | 4か月目以降(※1) |
---|---|---|
現役並み所得者Ⅲ | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
現役並み所得者Ⅱ | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
現役並み所得者Ⅰ | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
一般 | 57,600円 | 44,400円 |
低所得Ⅱ | 24,600円 | 24,600円 |
低所得Ⅰ | 15,000円 | 15,000円 |
(※1)過去1年間に、限度額認定証を利用が4回以上あった場合は、4回目以降の金額となります。